山と野と

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山と野と

「山と野と」は、山歩きを中心に、野鳥や食、キャンプ、日々の暮らしまでを綴った個人ブログです。
ブログの説明には「山歩きと野鳥と衣食住についてのいろいろ」とあり、実際にカテゴリーを見ても、山だけに限定されず、鳥、食、山の道具、山のお土産、おべんとう、キャンプ、ジョギング、レシピなどが並んでいます。

このブログを読んでいて感じるのは、登山を「山頂へ登るためのもの」として捉えていないことです。

山へ行けば、森があり、鳥がいて、食べることがあり、ときにはキャンプをする。
そうした山の周辺にある楽しみまで含めて、ひとつの休日として記録されています。

山を歩くことが、そのまま旅になっている

2016年の記事を見ると、奥多摩の鷹ノ巣山、瑞牆山自然公園でのキャンプ、大菩薩嶺、立山連峰、尾瀬、表銀座縦走、北岳など、かなり幅広い山へ出かけています。

ただし、記事の書き方は登山ガイドのようではありません。

たとえば立山の記事では、富山出張に行くことになった相棒をきっかけに急遽休みを取り、「せっかく富山まで行くのだから立山へ」という流れで山へ向かっています。富山駅に着いたときには土砂降りだったことまで、旅の始まりから丁寧に書かれています。

「立山に登る」という目的だけが先にあるのではなく、富山へ行くこと、その土地を訪れること、そしてその先にある山を歩くことがひと続きになっています。

これは、いわゆる登山記録とは少し違う魅力です。

山へ行くまでの時間も楽しい

このブログでは、山頂までの行程だけを切り取ることがありません。

どんな天気だったのか。
どうしてその山へ行くことになったのか。
誰と行ったのか。
途中で何を見たのか。

そうしたことが文章の中に自然に入っています。

そのため、読者は「登山情報を読む」というより、管理人の休日に一緒に出かけているような感覚になります。

記事のタイトルにも、「小春日和の秋山さんぽ」「秋風のピザキャンプ」「プチプチ丸鍋会」「秋の風に吹かれて」といった、山の難易度や標高とは違う言葉が使われています。

ここにも、このブログの山に対する距離感がよく表れています。

写真と文章で「その日の山」が見えてくる

記事には写真が多く、山頂からの絶景だけではなく、歩いている途中の森や紅葉、登山道なども残されています。

鷹ノ巣山の記事では、秋晴れの中を歩き、色付いた森と冠雪した富士山を眺めたことが冒頭から書かれています。

この文章も、単に「紅葉がきれいだった」と説明するのではありません。

秋の柔らかな日差しの中を歩いたこと、その森の美しさにため息が出たこと、そして富士山を見て感動したこと。

その日に感じたことが、そのまま文章になっています。

だから写真も単なる資料ではありません。

写真と文章を一緒に見ることで、「この日に、この人がこの山を歩いた」という時間まで伝わってきます。

山の写真だけではない

面白いのは、カテゴリーに「鳥」や「PHOTO」が独立して存在していることです。

山を歩いていると、鳥や植物、食べ物など、登山そのものとは直接関係のないものにも目が向きます。

このブログでは、そうしたものも山の楽しみとして残されています。

「山の写真を撮る」のではなく、山に行ったから見つけたものを撮る

その違いが、このブログの写真にも表れているように感じます。

キャンプや食事まで含めて山を楽しむ

「山と野と」ではキャンプの記事も目立ちます。

2016年には瑞牆山自然公園で「秋風のピザキャンプ」を行っており、キャンプ道具を車に積み、友人を誘って出かけています。

また「燻製キャンプ」などの記事も残されています。

山を歩いたら終わりではなく、山の近くで泊まったり、食べたりする。

そして「おべんとうの時間」や「美味しいレシピ」までカテゴリーとして存在しています。

これは非常に個人的な部分ですが、だからこそ面白いところです。

登山者にとって「山で何を食べるか」は意外と大きな楽しみです。

山頂で食べるお弁当、キャンプで作る料理、下山後の食事。

そうしたものまで含めると、山へ行くことが一日のイベントになります。

忘れられない山行も、そのまま残している

このブログで特に印象に残るのが、大菩薩嶺の山行です。

記事の冒頭で「忘れられない山行になったので書いておこうと思います」と書かれ、その山行中に同行者が転倒し、下山後に脱臼骨折と分かったことまで率直に記されています。

ここには、登山ブログとして大切なものがあります。

美しい景色や楽しかった思い出だけを残すのではなく、山で起きた事故も含めて、その日の出来事を記録している。

楽しい山歩きの中にも危険があり、事故が起きれば同行者や山小屋など多くの人に影響する。

その経験を「いろいろと考えさせられる山行」として残しています。

こうした記事があることで、ブログ全体が単なる「楽しい山の写真集」ではなくなっています。

2009年から続く時間の厚み

このブログのもうひとつの魅力は、非常に長く続いていることです。

アーカイブを見ると、2009年から2016年まで月ごとの記事が残っています。

さらにカテゴリーも「山 2009」から「山 2016」まで年ごとに整理されています。

これは単純に記事数が多いということ以上の意味があります。

山を始めた頃から、何年もかけて山へ通い続けてきた。

その間に訪れる山が変わり、写真が変わり、道具が変わり、仲間との山行も変わっていく。

ブログを遡ることで、ひとりの人が山と付き合ってきた時間そのものを見ることができます。

「山の情報」よりも「山のある暮らし」

「山と野と」を登山情報サイトとして見ると、少し不思議なブログです。

コースタイムや難易度を整理した登山ガイドではありません。

最新の登山道情報を提供するサイトでもありません。

けれど、山を好きな人が、山のある暮らしをどのように楽しんでいるのかを見るという意味では、とても魅力があります。

山へ行く。
鳥を見る。
写真を撮る。
キャンプをする。
料理をする。
仲間と食事をする。

それらが全部つながっています。

だから「山と野と」というタイトルもよく似合っています。

山だけを切り取らず、その周りにある自然や食、暮らしまで一緒に記録している。

有名な山へ登った実績を並べるブログとは違い、山へ行くことによって広がっていく楽しみを、そのまま長い時間をかけて残しているブログです。

登山を始めたばかりの人が読むと、「こんな山の楽しみ方もあるのか」と感じるでしょう。

そして長く山を歩いている人が読むと、自分の山行にもあった、あの「山へ行った一日」の楽しさを思い出させてくれる。

「山と野と」は、山を登ることだけではなく、山の中で過ごした時間そのものを楽しむ人の記録なのだと思います

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