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穂高岳連峰ってどんなところ? 奥穂高岳から見る山々のつながり

北アルプスの山を調べていると、「穂高岳」という名前をよく目にします。

奥穂高岳、前穂高岳、北穂高岳、西穂高岳。

それぞれ名前の付いた山があり、登山ルートも別々に紹介されています。

ところが地図を広げてみると、これらはそれぞれ独立した山ではありません。

いくつもの岩峰が連なり、大きな山塊をつくっています。

それが穂高岳連峰です。

私自身、穂高岳連峰を歩いた経験は一度だけです。

そのときに登ったのは奥穂高岳でした。

穂高岳のすべてを歩いたわけではありません。

それでも、奥穂高岳の山頂から周囲を見渡したときに、それまで地図の上で別々に見ていた山々が一つの山塊としてつながっていることを強く感じました。

今回は、その一度の経験と地図や資料をもとに、穂高岳連峰がどんな山域なのかを整理してみたいと思います。

穂高岳連峰はどこにある?

穂高岳連峰は、北アルプスの南部、長野県と岐阜県の県境付近に位置しています。

北側には槍ヶ岳へ続く山々があり、南側には焼岳や乗鞍岳などが続きます。

登山者にとっては、上高地が穂高岳連峰への代表的な入口です。

上高地から梓川沿いに歩いていくと、正面に大きな岩峰が見えてきます。

穂高岳です。

上高地から見える穂高の姿は非常に印象的で、登山をしない人でも写真などで一度は見たことがあるのではないでしょうか。

特に明神から徳沢、横尾へ進むにつれて、周囲の山々が少しずつ大きくなっていきます。

そして涸沢へ入ると、穂高岳連峰の岩峰に囲まれた独特の景観が現れます。

穂高岳は、単独の山というよりも、いくつものピークが連なった巨大な岩の山塊と考えると分かりやすいでしょう。

穂高岳連峰を構成する主な山

穂高岳連峰には、いくつものピークがあります。

代表的なのが、

  • 奥穂高岳
  • 前穂高岳
  • 北穂高岳
  • 西穂高岳
  • 涸沢岳

です。

このほかにも、ジャンダルムやロバの耳など、登山者に知られた岩峰があります。

中でも奥穂高岳は標高3,190m。

富士山、北岳に次ぐ日本第3位の標高を持つ山です。

「穂高岳」という名前を聞いたときに、奥穂高岳を指していることも多いですが、穂高岳連峰全体を見れば、奥穂高岳だけが特別に高いというわけではありません。

周囲には3,000m級の山々が連なっています。

そして、それぞれのピークの間には深い谷や岩稜が入り込み、複雑な地形をつくっています。

奥穂高岳に一度だけ登った

私が穂高岳連峰を歩いたのは一度だけです。

目的地は奥穂高岳でした。

穂高岳のことを調べていると、どうしても「険しい山」というイメージが先に来ます。

確かに岩場はあります。

急な場所もあります。

しかし、実際に歩いてみると、奥穂高岳の魅力は険しさだけではありませんでした。

涸沢から見上げる穂高の山々。

その巨大な岩壁。

登るにつれて変わっていく景色。

そして山頂に近づいたときに、周囲の山々が次々と姿を現してくる感覚。

「穂高岳」という一つの山を登っているつもりでも、実際には大きな山塊の中へ入り込んでいるような感覚がありました。

そして山頂から見渡すと、その印象がさらに強くなります。

奥穂高岳から見る前穂高岳

奥穂高岳から見て特に印象的なのが前穂高岳です。

前穂高岳は標高3,090m。

奥穂高岳より少し低いものの、山頂へ向かって大きな岩峰がせり上がっています。

奥穂高岳と前穂高岳の間には吊尾根があります。

この吊尾根を通るルートは、穂高岳を代表する縦走路の一つです。

地図だけを見ると「奥穂高岳から前穂高岳へ」と簡単に書けます。

しかし実際には、岩稜帯を進む登山になります。

奥穂高岳から前穂高岳へ向かうとき、山頂から見えていた岩峰へ自分が近づいていくことになります。

それまで遠くに見えていた山が、今度は自分の歩く道になります。

穂高岳連峰のおもしろさは、こういうところにもあるのでしょう。

北穂高岳はまた違った表情を持っている

奥穂高岳から北側を見ると、北穂高岳方面へと山々が続いています。

北穂高岳は標高3,106m。

奥穂高岳や前穂高岳と同じく3,000mを超える山です。

北穂高岳の特徴は、大キレットへつながっていることです。

北穂高岳から南岳方面へ向かうと、大キレットと呼ばれる険しい岩稜帯に入ります。

さらにその先には槍ヶ岳へ続く稜線があります。

つまり穂高岳連峰は、南北に独立して存在しているわけではありません。

北へ向かえば槍ヶ岳方面へつながり、南へ向かえば西穂高岳や焼岳方面へと山々が続いていきます。

奥穂高岳の山頂から周囲を眺めると、こうした山々の位置関係が少し分かりやすくなります。

地図で見るだけでは線にしか見えない稜線が、実際には巨大な岩の壁と峰の連続なのだと感じます。

西穂高岳は「穂高」の入口が違う

西穂高岳も穂高岳連峰を代表する山です。

標高は2,909m。

奥穂高岳よりも低い山ですが、難易度を標高だけで考えることはできません。

西穂高岳から奥穂高岳へ向かうルートには、ジャンダルムなどの険しい岩稜が待っています。

このルートは穂高岳連峰の中でも特に難しいルートとして知られています。

一方で西穂高岳は、新穂高ロープウェイを利用して西穂高口へ入り、そこから山へ向かえるという特徴があります。

同じ穂高岳連峰でも、上高地側から入るのか、新穂高側から入るのかによって、山へのアプローチが大きく変わります。

この違いも、穂高岳連峰を面白くしているところです。

ジャンダルムという特別な存在

穂高岳連峰を語ると、どうしてもジャンダルムの名前が出てきます。

奥穂高岳と西穂高岳の間に位置する岩峰です。

標高は3,163m。

奥穂高岳より低いとはいえ、3,000mを超えています。

そして、ジャンダルムは単純な「山頂」というよりも、穂高の険しい岩稜を象徴する存在として知られています。

山頂付近の独特な岩峰は、遠くからでもよく分かります。

奥穂高岳から西穂高岳へ向かう縦走路では、このジャンダルムを越えていくことになります。

私はこのルートを歩いたわけではありません。

奥穂高岳に一度登っただけです。

だからこそ、山頂からジャンダルムを眺めたときには、

「ここを歩く人がいるのか」

という驚きのほうが先にありました。

同じ穂高岳連峰でも、一般的な登山と岩稜縦走との間には、大きな違いがあります。

涸沢が穂高岳連峰を身近に感じさせる

穂高岳連峰を語るうえで、涸沢も欠かせません。

涸沢は、穂高岳の山々に囲まれた大きなカール地形です。

登山者にとっては、穂高岳への重要なベースになる場所であり、紅葉の名所としても非常に有名です。

上高地から横尾を経て涸沢へ向かうルートは、穂高岳連峰の中では比較的多くの登山者が歩く場所です。

ここまで来ると、穂高の岩峰が目の前に迫ります。

山頂を目指さなくても、涸沢から穂高岳連峰を眺めるだけで、その巨大さを感じられるでしょう。

むしろ、下から眺めることで山の大きさが分かることもあります。

山頂に立つと周囲を見渡しますが、涸沢からは自分がこれから登る山を正面から見ることができます。

「この壁を登っていくのか」

と思うような景色が広がります。

穂高岳連峰は「岩の山」という印象が強い

北アルプスには、いろいろなタイプの山があります。

白馬岳周辺には広い稜線があります。

薬師岳には大きな山体があります。

雲ノ平周辺には高原のような景観があります。

それに対して穂高岳連峰は、非常に岩の存在感が強い山域です。

山頂付近だけではありません。

谷から見上げても岩壁が目立ちます。

稜線を見ても鋭いピークが連なっています。

山と山の間も深く切れ込んでいます。

そのため、穂高岳連峰には独特の迫力があります。

「高い山」というより、

「巨大な岩の山塊」

という印象のほうが近いかもしれません。

なぜ穂高岳は難しいのか

穂高岳という名前だけで「上級者向け」と考えてしまうのは少し乱暴です。

穂高岳連峰の中にも、登山ルートによって難易度には大きな違いがあります。

しかし、難しい場所が存在することは確かです。

その理由の一つが岩場です。

岩場では、単純に体力があればいいわけではありません。

足を置く場所を選ぶ。

手を使う。

バランスを取る。

周囲の登山者との距離を考える。

天候が変われば岩場の状態も変わります。

さらに標高3,000m付近では、天候の変化にも注意が必要です。

特にジャンダルムを含む西穂高岳方面の縦走は、一般的な登山道を歩く感覚とは別に考えたほうがいいでしょう。

「奥穂高岳に登れたから、次は西穂高岳まで歩いてみよう」

と単純に考えられるものではありません。

穂高岳連峰には、山域そのものの中に大きな難易度の幅があります。

奥穂高岳に登って感じた「穂高の中心」

一度しか奥穂高岳へ行っていないので、穂高岳連峰について偉そうなことは言えません。

それでも、山頂に立ったときに感じたことがあります。

奥穂高岳は、穂高岳連峰の「中心」にいるような感覚があることです。

前穂高岳がある。

北穂高岳がある。

西穂高岳がある。

ジャンダルムがある。

そして、その向こうには槍ヶ岳へ続く稜線がある。

一つの山頂から、これだけ多くの山々がつながって見えます。

それまで写真や地図で見ていた山が、一つの景色としてまとまって見えてきます。

「奥穂高岳に登った」というより、

「穂高岳連峰の真ん中に入った」

という感覚のほうが近かったのかもしれません。

穂高岳連峰の市町村は?

地理的な話として気になるのが、穂高岳連峰がどこの市町村にあるのかということです。

穂高岳周辺は、長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる山域です。

穂高岳連峰の稜線付近には長野県と岐阜県の県境が通っています。

上高地側は松本市。

新穂高温泉側は高山市。

そのため、同じ穂高岳連峰でも、どちら側から見るかによって行政上の所在地が変わります。

登山者にとって上高地は穂高岳への代表的な入口ですが、上高地そのものも現在は松本市安曇に含まれています。

一方、岐阜県側には新穂高温泉があり、こちらから西穂高岳方面へ入るルートがあります。

つまり穂高岳連峰は、長野県と岐阜県の境界にある山々なのです。

穂高岳連峰は「山頂」よりも「つながり」が面白い

穂高岳というと、奥穂高岳の標高3,190mという数字が最初に出てくることがあります。

もちろん日本第3位という標高は大きな特徴です。

しかし、地図を眺めていると、それ以上に面白いのが山々のつながりです。

前穂高岳。

奥穂高岳。

北穂高岳。

涸沢岳。

ジャンダルム。

西穂高岳。

これらが一つの巨大な山塊を形成しています。

さらに北へ進めば大キレットを経て槍ヶ岳方面へつながっていく。

南へ進めば焼岳方面へ山並みが続く。

つまり穂高岳連峰は、単独の「有名な山」ではありません。

北アルプスの大きな山脈の中にある、特に岩峰が集中した場所と見ることができます。

一度登っただけだからこそ、また気になる

私は穂高岳連峰を一度しか歩いていません。

奥穂高岳に登っただけです。

だから、前穂高岳から見た景色も、北穂高岳から見た景色も、西穂高岳まで続く岩稜も知りません。

ジャンダルムも、遠くから眺めただけです。

それでも一度奥穂高岳に立ったことで、地図を見る目が少し変わりました。

「あの山が前穂高岳なのか」

「北穂高岳はあちらか」

「この稜線が西穂高岳へ続いているのか」

と、山々の位置関係を実際の景色と結びつけられるようになりました。

一度登った山から周囲を眺めると、山は一つでは終わりません。

次に歩いてみたい場所が、いくつも見つかります。

穂高岳連峰を地図で眺めてみる

穂高岳連峰をまだ歩いたことがない人なら、まず地図を広げてみるのも面白いと思います。

上高地を見つける。

涸沢を見る。

そこから奥穂高岳へ向かう。

その東に前穂高岳。

北へ行けば北穂高岳。

西へ向かえばジャンダルム、さらに西穂高岳。

さらに北へ目を向ければ、大キレットを経て槍ヶ岳へつながっています。

こうして見ると、穂高岳連峰は一つの山頂を目指す場所ではなく、山と山のつながりそのものを楽しめる場所だと分かります。

もちろん、実際に歩くとなれば話は別です。

岩場や鎖場、急峻な稜線があり、天候によって状況も変わります。

地図上で「つながっている」ことと、安全に歩いて行けることは同じではありません。

それでも、地図の上で山々が連なっている姿には、登山者を惹きつけるものがあります。

まとめ――穂高岳連峰は、奥穂高岳だけではない

穂高岳連峰は、奥穂高岳だけを指す言葉ではありません。

奥穂高岳を中心に、前穂高岳、北穂高岳、西穂高岳、涸沢岳などのピークが連なり、その間にはジャンダルムをはじめとした険しい岩峰があります。

上高地や涸沢から眺めれば、その巨大な岩山の姿を楽しむことができます。

そして実際に奥穂高岳まで登ると、周囲にさらに多くの山が続いていることに気付きます。

私は一度だけ奥穂高岳へ行ったことがあります。

その一度だけでも、

「奥穂高岳に登った」というより、「穂高岳連峰の中へ入った」

という印象が残っています。

山頂から見えた前穂高岳。

北穂高岳へ続く稜線。

遠くに見えるジャンダルム。

そして、その先へ続いていく西穂高岳。

それぞれを別々の山として知っていたものが、実際の景色の中では一本の大きな山並みとしてつながっていました。

穂高岳連峰の魅力は、3,000mを超える山があることだけではありません。

いくつもの山が連なり、岩峰と谷が複雑に入り組みながら、一つの巨大な山塊をつくっていること。

そこに穂高らしさがあるのだと思います。

一度しか歩いていないからこそ、まだ知らない場所がたくさんあります。

前穂高岳も、北穂高岳も、西穂高岳も歩いていません。

ジャンダルムを越えたこともありません。

だからこそ、奥穂高岳の山頂から見たあの山々を思い出すと、もう一度地図を広げたくなります。

穂高岳連峰は、一つの山を登って終わる山域ではなく、一度その姿を知ると、その先にある山々まで気になってくる場所なのかもしれません。