北アルプスへ行くというと、どうしても「山に登る」ことを考えてしまいます。
登山口まで行って、靴を履いて、ザックを背負って、ひたすら歩く。
そして何時間もかけて山頂を目指す。
もちろん、それは登山の大きな楽しみです。
でも、今回やってきたのは、それとはちょっと違います。
西穂高岳ロープウェイに乗ってきました。
いや、正確には現在の名称でいうところの新穂高ロープウェイです。
そして、最初にきちんと書いておきます。
西穂高岳には登っていません。
登山道にも足を踏み入れていません。
今回は完全にロープウェイを楽しみに行っただけです。
ところが、これがものすごく楽しい。
もう、乗るだけで楽しい。
どんどん山の上へ運ばれていく。
窓の外を見ると、森が下へ下へと離れていく。
そして気が付けば、標高2,000mを超えています。
しかも、その先に待っていたのが、
「えっ、こんなところまで来ちゃったの?」
と思ってしまうほどの北アルプスの景色でした。
特に素晴らしかったのが笠ヶ岳です。
今回は登山ではありません。
ロープウェイに乗って、山を眺めて、景色を楽しむ。
それだけです。
でも、それだけで十分すぎるほど楽しい。
むしろ、
「北アルプスって、こんな楽しみ方もあるんだ!」
と驚かされる一日でした。
まずはロープウェイに乗りに行く
新穂高ロープウェイは、岐阜県高山市の新穂高温泉から北アルプスへ上がっていくロープウェイです。
現在は第1ロープウェイと第2ロープウェイを乗り継いで、西穂高口駅まで向かいます。
新穂高温泉駅から第1ロープウェイで鍋平高原駅へ。
そこからしらかば平駅へ移動して、第2ロープウェイに乗り換えます。公式サイトによれば、西穂高口駅は標高2,156mに位置しています。
この「乗り継ぐ」というところから、すでにちょっとワクワクします。
普通のロープウェイなら、乗って終点まで行けばそれで終わりです。
ところが新穂高では、
まだ乗る。
さらに、
また乗る。
そして、
もっと上へ行く。
この感じが楽しい。
「どこまで行くんだろう?」
と思いながら標高が上がっていきます。
そして第2ロープウェイがすごい。
なんと日本唯一の2階建てゴンドラです。
これはもう、乗り物好きならテンションが上がらないほうがおかしい。
北アルプスに来ているのに、登山ではなく乗り物に夢中になってしまいます。
2階建てのゴンドラって、やっぱり面白い
実際に乗ってみると、2階建てというだけでちょっと特別感があります。
「ロープウェイに乗る」というだけなら、観光地でも経験できます。
でも、2階建てです。
しかも、そのゴンドラが北アルプスの山の中を上がっていきます。
下には森。
横には山。
上には青空。
そしてゴンドラそのものがどんどん高くなっていく。
これは楽しい。
登山道を歩いているわけではありません。
息が上がることもありません。
汗だくになることもありません。
ただ乗っているだけ。
それなのに、どんどん標高が上がっていく。
「こんなに楽していいのか?」
と思ってしまいます。
でも、いいんです。
今日は登山に来たのではありません。
ロープウェイに乗りに来たのです。
だから思う存分、乗り物を楽しめばいい。
西穂高口駅は標高2,156m
そして到着するのが西穂高口駅。
ここが標高2,156mです。
ここでまた驚きます。
さっきまで車で走っていたのに。
ロープウェイに乗っていただけなのに。
もう標高2,000mを超えている。
登山者なら、この標高まで自分の足で登ることを考えるでしょう。
でも今回は違います。
乗ってきただけです。
それなのに、目の前には完全に北アルプスの世界が広がっています。
そして西穂高口駅には展望台があります。
公式サイトでは、屋上の展望台から西穂高岳、槍ヶ岳、笠ヶ岳などを360度の大パノラマで眺められると案内されています。さらに、この眺望は「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で2つ星として掲載されています。
これだけ聞いても、
「登らなくてもいいじゃないか!」
と思ってしまいます。
もちろん、山に登る人からすれば「いや、そこから登るんだよ」と言われるでしょう。
その通りです。
でも今回は、登りません。
ここで景色を楽しみます。
それでいいのです。
そして笠ヶ岳がすごい
今回、特に目を奪われたのが笠ヶ岳でした。
笠ヶ岳は標高2,898m。
北アルプスを代表する山の一つです。
その姿をロープウェイから、そして西穂高口駅周辺から眺めることができます。
これが、ものすごくいい。
笠ヶ岳という山は、名前の通り笠を伏せたような特徴的な山容をしています。
山頂付近の形が分かりやすく、周囲の山々の中でも「あれが笠ヶ岳だ」と見つけやすい山です。
そして新穂高側から見る笠ヶ岳は、非常に存在感があります。
山が大きい。
とにかく大きく見える。
ロープウェイから少しずつ景色が変わっていくことで、その山体の大きさも感じられます。
「笠ヶ岳を見に来た」と言ってもいいくらいです。
……と言いたいところですが、今回は画像を引用しません。
実際に行ったときに自分の目で見てください。
そのほうが絶対に楽しい。
西穂高岳そのものについては、慎重に
ここで「西穂高岳ロープウェイ」と呼んでいるからといって、西穂高岳に簡単に登れると思ってはいけません。
そもそも今回、私は西穂高岳には登っていません。
登山道にも入っていません。
ですから、西穂高岳の登山について経験者のように語ることはできません。
西穂高岳は標高2,909mの山で、穂高岳連峰の一峰です。
山頂へ向かうには、西穂高口駅から登山道を歩く必要があります。
ロープウェイで標高2,156mまで上がれることと、西穂高岳への登山が容易であることは、まったく別の話です。
この点は分けて考える必要があります。
ロープウェイは、登山道を歩くための標高まで移動する手段です。
ロープウェイに乗っただけで西穂高岳に登ったわけではありません。
今回はあくまでも、
西穂高口駅までロープウェイで行き、そこで北アルプスを眺めて帰ってきた。
それだけです。
でも、それだけで十分楽しめました。
「登山しない北アルプス」がこんなに楽しいとは
山へ行くと、どうしても山頂を目指したくなります。
せっかくここまで来たのだから。
せっかく標高2,156mまで来たのだから。
この先に西穂高岳があるのだから。
そう考えてしまいます。
でも、今回は違います。
今日は山頂を目指さない。
これを最初から決めているので、気持ちがものすごく楽です。
ロープウェイを降りたら景色を見る。
展望台へ行く。
山を見る。
写真を撮る。
また山を見る。
そして、
「すごいなあ」
と言う。
それだけ。
でも、これが楽しい。
登山では、どうしても「次へ進まなければ」という気持ちがあります。
ここまで来たら山頂まで。
山頂に着いたら下山。
時間を見ながら歩く。
それも登山の楽しさです。
でも、今日は違います。
時間を気にしながら歩く必要がない。
だって、歩いていないから。
ロープウェイで来たのです。
この気楽さが、なんともいえません。
山の中を空から眺める
ロープウェイの魅力は、単に「楽に標高を上げられる」ことだけではありません。
むしろ面白いのは、
山を上から眺めながら移動できること
です。
登山道なら、森の中を歩いている時間があります。
木々の間から少しだけ山が見える。
尾根に出て初めて景色が開ける。
そんな楽しみがあります。
ところがロープウェイでは、視線がどんどん高くなります。
さっきまで自分の目線より上にあった場所が、今度は下になっていく。
木々の向こう側に隠れていた地形が見えてくる。
谷が深く見える。
山が大きく見える。
そして遠くの山まで見えてくる。
山を歩くのとはまったく違う視点です。
これはこれで、ものすごく面白い。
ロープウェイに乗ること自体が目的になってしまう
最初は「北アルプスの景色を見るためにロープウェイに乗る」というつもりでした。
ところが、乗ってみるとロープウェイそのものが楽しい。
第1ロープウェイ。
乗り換え。
第2ロープウェイ。
そして2階建てゴンドラ。
もう完全に乗り物です。
しかも、ただの乗り物ではありません。
標高1,000m台から2,000mを超えるところまで、一気に運んでくれます。
公式サイトによれば、第2ロープウェイの終点となる西穂高口駅は標高2,156m。新穂高温泉駅との標高差は大きく、公式FAQでは標高差による気温差が約6~10℃になると案内されています。
つまり、下界では普通の服装でも、上へ行けば空気が違う。
景色も違う。
気温も違う。
それをロープウェイに乗っているだけで体験できます。
これはもう、アトラクションとして楽しい。
「頂の森」も楽しい
西穂高口駅周辺には、現在「頂の森」という自然体験型のエリアも整備されています。
2024年にグランドオープンした施設で、槍の回廊やオオシラビソの道など、山の自然を楽しめる場所になっています。
ここでも大事なのは、
登山道に入らなくても楽しめる
ということです。
今回の目的にはぴったりです。
山へ行った。
でも登山はしていない。
それでも北アルプスの自然に触れられる。
この距離感がいい。
山を本格的に歩く人には物足りないかもしれません。
でも、
「今日は山を楽しみたい」
という日には、かなりいい選択肢だと思います。
「山に登らない」という選択肢
登山サイトでこんなことを書くのもどうかと思います。
でも、山は登らなくても楽しい。
これは本当です。
もちろん、山頂から見る景色には特別なものがあります。
自分の足で登ってきたからこそ感じる達成感もあります。
でも、山には別の楽しみ方もあります。
山を眺める。
山の近くまで行く。
ロープウェイから山を見る。
高い場所の空気を感じる。
そして、
「今度はあの山に登ってみたい」
と思う。
そのきっかけとして、ロープウェイはものすごく優秀です。
今回だって、私は西穂高岳には登っていません。
登山道にも入っていません。
それでも、北アルプスの山々を目の前にすると、
「この山域、もっと見てみたいな」
という気持ちは自然と出てきます。
笠ヶ岳を眺めるだけでも行く価値がある
今回、何度も笠ヶ岳を見ていました。
それくらい印象に残りました。
笠ヶ岳は、登山をする人なら一度は気になる山ではないでしょうか。
特徴的な山頂の形。
周囲の山々から少し離れて見える存在感。
そして、その向こうへ続く北アルプス。
新穂高側から見ることで、その山容をしっかり眺めることができます。
山へ登ると、自分が登っている山の景色は見られません。
当たり前ですが、山頂から自分が立っている山そのものを見ることはできません。
ところがロープウェイなら、
山を見に行ける。
これが面白い。
笠ヶ岳を見るために新穂高へ行く。
西穂高岳を見ながら、さらに周囲の山を見る。
そして自分は登らない。
こういう山の楽しみ方も、たまにはいいものです。
ぜひ乗ってみてほしい
新穂高ロープウェイは、通年営業が基本とされており、季節ごとに異なる景色を楽しめます。ただし、強風などによって運行を見合わせる場合があるため、訪れる際は当日の運行状況を確認したほうがよいでしょう。
そして、もし行くなら、
ぜひロープウェイそのものを楽しんでください。
「山に行ったから、何か歩かなければ」
なんて考えなくていい。
まず乗る。
窓から景色を見る。
ゴンドラが上がっていくのを楽しむ。
乗り換える。
また乗る。
そして標高2,156mへ。
そこで笠ヶ岳を見る。
穂高の山々を見る。
槍ヶ岳方面を見る。
展望台へ行く。
「うわ、すごい!」
と言う。
それでいいのです。
山頂へ行かなくても、北アルプスは目の前にある
今回の私は、西穂高岳には登っていません。
登山道にも足を踏み入れていません。
だから、西穂高岳の登山について詳しいことを語るつもりもありません。
西穂高岳は、ロープウェイで気軽に山頂へ行ける山ではありません。
そこには登山としての別の世界があります。
でも、その手前にある西穂高口駅までは、ロープウェイで行けます。
そして、そこからでも北アルプスは十分に大きい。
むしろ、
「ここまで乗り物で来られるの?」
と思うほど近くに山があります。
笠ヶ岳が見える。
穂高の山々が見える。
槍ヶ岳方面も見える。
足元には深い谷が広がる。
そして自分は、登山道を歩いていない。
ただロープウェイに乗ってきただけ。
それなのに、
「北アルプスに来た!」
という気分になります。
これは、かなり楽しい。
まとめ――西穂高岳に登らなくても、ロープウェイだけで楽しい
今回の目的は、西穂高岳ではありません。
新穂高ロープウェイに乗ること。
これです。
そして、実際に乗ってみたら、本当に楽しかった。
2階建てのゴンドラに乗って、山の中をどんどん上がっていく。
標高2,156mの西穂高口駅まで行く。
展望台から北アルプスを見る。
そして、特に印象に残ったのが笠ヶ岳。
「こんなに大きく見えるんだ」
と思うほどの山容を目の前にして、しばらく眺めてしまいました。
西穂高岳には登っていません。
登山道にも入っていません。
だから今回は登山記録ではありません。
でも、
北アルプスを楽しんだ一日ではありました。
登山をする人なら、もちろんその先へ行きたくなるでしょう。
西穂高岳へ向かう登山道があります。
その先には、さらに険しい山々があります。
でも、そこへ行かなくてもいい。
まずはロープウェイに乗る。
そして山を見る。
それだけでも、十分に楽しいのです。
特に笠ヶ岳の眺望は、一度見ておいて損はないと思います。
いや、むしろ、
これは見てほしい。
そして、ロープウェイに乗ってほしい。
2階建てのゴンドラに乗って、標高2,000mを超える世界へ運ばれていく。
山を歩いていないのに、どんどん山の中へ入っていく。
こんな楽しい乗り物、なかなかありません。
西穂高岳に登らなくてもいい。
登山道に入らなくてもいい。
ロープウェイに乗って、笠ヶ岳を眺める。
それだけでも、
「新穂高まで来てよかった!」
と思えるはずです。
北アルプスへ行きたいけれど、今日は登山する気分じゃない。
そんな日があったら、ぜひ新穂高へ。
そしてロープウェイに乗ってみてください。
たぶん帰りのゴンドラでは、
「これ、もう一回乗りたいな」
と思っているはずです。