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分け入っても分け入っても白き山

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分け入っても分け入っても白き山

北陸・白山周辺を中心に、かなり広い範囲の山を歩いている登山ブログです。

ブログタイトルからして非常に印象的ですが、実際の記事を読んでみても、このタイトルに負けない個性があります。

白山、立山、富山の百山、ぎふ百山、鈴鹿、八ヶ岳、北信、近江百山など、カテゴリーはかなり広く、2026年現在も更新が続いています。

ただし、単に多くの山を登っているブログというわけではありません。

このブログの面白さは、山の選び方と、それを文章にする際の独特な軽さにあります。

地元の人だからこそ知っている山へ

特に強く感じるのが、メジャーな山だけを追いかけていないことです。

たとえば「輝山とニリンソウ群生地」という記事では、輝山について「ジモティ&山スキーヤーくらい」しか場所が思い浮かばないのではないか、と書いています。

ところが、その山に無雪期でも登れる登山道ができ、しかもニリンソウの群生地があると知ると、さっそく出かけています。

こういうところに、このブログの山との付き合い方がよく表れています。

有名だから行く。

百名山だから行く。

というより、

「こんなところに、こんな山があるらしい」

というところから興味が始まっています。

だから記事を追っていると、知らなかった山が次々と出てきます。

「富山の百山」「ぎふ百山」への深い入り込み

カテゴリーを見ると、「富山の百山」が22、「ぎふ百山」が31となっており、特定の地域・山域をかなり細かく歩いています。

これは、このブログの大きな強みです。

全国の有名な山を広く紹介するブログとは違い、自分が行きやすい地域を何度も掘り下げている

その結果として、メジャーな登山情報ではなかなか出てこない山が記事になっています。

富山県東部の黒菱山を含む雪山縦走の記事でも、通常なら林道歩きが長い山を、積雪期だからこそ隣の山とつないで歩くという発想が出てきます。

山を一座ずつ消化しているのではなく、山域全体を自分なりに楽しんでいる印象があります。

文章がとにかく軽快

このブログを特徴づけているのは、やはり文章です。

登山ブログには、

「天気は晴れ」

「登山口を○時に出発」

「山頂から素晴らしい景色が見えた」

といった比較的淡々とした文章も多いものです。

ところが「分け入っても分け入っても白き山」は、かなり口語的です。

「何なんそれ?」

「はぁ?」

「早くね?」

「そんなこととても言い出せません」

といった言葉が頻繁に出てきます。

顔文字や「w」などもかなり使われます。

このため、文章を読んでいるというより、山好きの人が横でしゃべっているのを聞いているような感覚があります。

山行のきっかけまで面白い

たとえば2026年のチブリ尾根から別山の記事では、白山の「春山開き」というニュースを見つけたところから話が始まります。

ところが「室堂が5月1日から営業」という情報を見て、

「入口(林道)閉じてるのに店(室堂)だけ開けるってどういう?」

と突っ込む。

こういう寄り道が多いのです。

登山情報だけなら不要な部分でしょう。

しかし個人ブログとして読むと、むしろここがおもしろい。

その人が何を見て、何を考えて、その山へ向かったのかが分かるからです。

「ゆる山」と「本気の山」が同居する

このブログでは「ゆる山」という言葉も頻繁に登場します。

2019年の記事にも「ゆる山初めは負釣山」というタイトルがあり、小春日和の陽だまりを求めて富山百山の負釣山へ向かっています。

一方で、雪山やナイフリッジ、ラッセル、縦走など、本格的な山行もあります。

タグを見るだけでも「ナイフリッジ」「ラッセル」「雪庇」「春スキー」「スノーシュー」「バリエーションルート」など、かなり幅広い山の楽しみ方が見えてきます。

この振れ幅が面白いところです。

いつも難しい山を歩いているわけではない。

疲れているときは「ゆる山」にする。

天気や季節を見ながら行き先を変える。

でも、条件が整えば雪山にも入っていく。

登山を「修行」にしていないのです。

季節を楽しむ山歩き

記事タイトルを眺めているだけでも、季節感がかなり強く感じられます。

「ニリンソウ群生地」

「春山日和」

「ニッコウキスゲ咲く白木峰」

「花の横山岳」

「紅葉の一夜山」

など、山そのものよりも、その時期にしか見られないものが山行の目的になっています。

これは非常に個人ブログらしいところです。

標高や難易度だけで山を選ぶのではなく、

「今なら花が見られる」

「雪があるから、このルートで歩ける」

「今の時期ならこの山がちょうどいい」

という選び方をしています。

そのため、記事を読んでいると山の季節が見えてきます。

山だけで終わらない

カテゴリーを見ると、温泉、ポタリング、テーマパーク、マイブームなどもあります。

さらに山行のタイトルにも「○○と湯谷温泉」のように、下山後の楽しみが含まれることがあります。

このあたりも、以前見た「山と野と」に少し通じるところがあります。

山へ行くことが目的ではあるけれど、山だけが生活のすべてではない。

温泉に入ったり、花を見たり、食事をしたり、別の趣味を楽しんだりする。

休日を楽しむ中に山がある。

そういう自然な距離感があります。

山の情報としてもかなり濃い

文章が軽いので、最初は気楽な山行ブログに見えます。

しかし、読み込んでみると情報量はかなり多い。

アクセスや林道の状況、季節による通行状況、登山道の状態、花の時期など、実際に歩いた人でなければ分からない情報が随所に出てきます。

福寿草の記事では、花の自生地まで歩き、登山道から見える距離や開花状況について書いています。4時間余りの登山ながら、見どころが多く、足を延ばした価値があったと振り返っています。

つまり、文章は軽いのですが、山を歩いている人間としての観察はかなり細かい

ここが、このブログを単なる「面白い山行日記」で終わらせていないところです。

長く歩いてきた人だからこその山選び

アーカイブを見ると2019年から現在まで大量の記事が蓄積されています。

その年月の中で、白山、北陸、富山、岐阜、信州、近畿など、徐々に行動範囲を広げながらも、地域の山をかなり深く歩いています。

そのため、記事を読み続けると、

「この人は有名な山を登りたいのではなく、山そのものが好きなんだな」

ということが伝わってきます。

知られていない山を見つける。

花の時期を狙う。

雪があるから歩けるルートへ行く。

以前歩いた場所を違う季節に歩く。

こうした山の選び方には、長く山を歩いてきた人ならではの余裕があります。

「分け入っても分け入っても」というタイトルがよく似合う

このブログで一番印象的なのは、やはりタイトルです。

「分け入っても分け入っても白き山」

これは種田山頭火の句を思わせるタイトルですが、実際にブログを読んでみると、この言葉が単なる格好いいタイトルではないことが分かります。

有名な山へ向かうだけではなく、さらにその奥へ。

知られていない山へ。

別のルートへ。

季節を変えて。

そうやって山の中へ分け入っていく。

そして、その先で見つけたものを、少し笑いながら文章にしている。

「こんな山があったのか」と発見させてくれるブログという意味では、かなり個性的です。

写真だけで山の美しさを見せるブログとも、初心者向けに登山情報を整理するブログとも違います。

自分の生活圏から少しずつ山の世界を広げ、時には本格的な山へ入り、時には「今日はゆる山でいい」と肩の力を抜く。

そのすべてを、独特の軽妙な文章で残している。

「分け入っても分け入っても白き山」は、山を攻略する人の記録というより、山の中へ入り込んでいくことそのものを楽しんでいる人の記録として、とても魅力のあるブログだと思います。

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