その名前からも分かるように、登山と写真をかなり強く結びつけたサイトです。
サイトには「山のコト」「写真のコト」「器材のコト」「道具のコト」があり、さらに北・中央・南アルプスの写真ギャラリーも用意されています。単なる登山ブログというより、山を撮ることまで含めて登山を楽しんでいる人のサイトという印象です。
実際の山行記事も、タイトルからして「登って撮ってみた!」。
この言葉がサイトの性格をかなりよく表しています。
山へ行く目的が「登る」だけではない
例えば岩菅山の記事では、登山口へ向かう途中の国道292号から朝の光芒を見つけ、思わず車を止めて何枚も撮影しています。
その結果、
「全く登山口まで辿り着きません(笑)」
ということになります。
この一場面だけでも、このサイトの性格がよく分かります。
普通の登山記録なら「登山口へ向かう途中に光芒が見えた」で終わるところです。
しかし、このサイトでは写真を撮ることそのものが山行の一部になっています。
登るために山へ行く。
でも、途中に良い景色があれば立ち止まる。
花があれば撮る。
朝露があれば撮る。
だから、山頂へ到達することだけが記事の目的になっていません。
写真が記事の中心にある
このサイトの最大の特徴は、やはり写真です。
山行記事では、登山道、花、森、稜線、山頂など、かなり多くの写真が掲載されています。
例えば白砂山の記事では、登山前に野反湖のノゾリキスゲを撮影し、朝露に濡れた花や朝日に照らされた花畑を丁寧に撮っています。
岩菅山でも、キスゲ、トンボ、蝶、朝露、白樺の森など、山頂以外の被写体がかなり多く登場します。
これは「山頂からの絶景を見せる登山ブログ」とは少し違います。
山に存在するものすべてが被写体になる。
そのため、記事を読んでいると山の景色だけではなく、そこにある小さなものまで目に入ってきます。
朝露が「情報」ではなく「作品」になる
特に印象的なのが花の撮り方です。
白砂山の記事では、朝露に濡れたノゾリキスゲを「日が差すのをじっと待っているよう」と表現しています。
単純に「ノゾリキスゲが咲いていました」という記録ではありません。
写真を撮る人の目線で、その瞬間を見ています。
だから、同じ登山道を歩いたとしても、一般的な登山者とは見ているものが少し違います。
山を見る目が「登山者」であり、同時に「カメラマン」でもある。
そこが、このサイトの大きな個性です。
写真好きにはかなり楽しめる
サイトには独立して「写真のコト」「器材のコト」が用意されています。
つまり、写真は山行記事を飾るためのものではなく、サイトそのものの大きなテーマです。
「この山へ登ってきました」という記事を読むだけでなく、
「この景色をどう撮ったのか」
「どんな機材を使っているのか」
という方向にも興味を広げられます。
登山をしながら写真を撮りたい人には、かなり親和性が高いでしょう。
ただの「カメラ好き」ではないところが面白い
一方で、機材自慢に終わっていないところも良いところです。
カメラやレンズの話はありますが、最終的には必ず山へ戻ってきます。
例えば「登って良かった日本百名山5選」では、100座登った経験をもとに5座を選んでいます。
しかも選定基準について、
「標高や歴史的な背景などは考慮に入れず、単純に心に刻まれたかどうか」
としています。
これはかなり重要です。
百名山を紹介する記事でありながら、客観的なランキングにしようとはしていません。
自分が実際に登って、心に残ったかどうか。
写真を撮る人らしい評価軸です。
「百名山を登った人」の経験が記事に生きている
現在の記事では二百名山、三百名山も多く登場しています。
岩菅山、白砂山、佐武流山、茅ヶ岳、二王子岳、浅草岳など、かなり幅広い山を歩いています。
さらに蝶ヶ岳・常念岳のテント泊縦走のような、本格的な山行もあります。
そのため、記事の基本的な構成は初心者にも分かりやすい一方、書いている本人の経験値はかなり高い。
この組み合わせが、このサイトの強みです。
初心者にも分かるけれど、初心者目線だけではない
例えば茅ヶ岳の記事では、距離約7.6km、標高差約750mの日帰りルートとして紹介しながら、女岩を過ぎると急登や鎖場・ロープ場が現れること、別ルートのほうが歩きやすいことまで説明しています。
単に「初心者向け」と書いて終わりません。
実際に歩いて、
「ここは注意したほうがいい」
「こちらのルートなら歩きやすい」
という判断までしています。
これは経験者だからこそ書ける部分です。
文章はかなり親しみやすい
文章の語り口は、これまで見てきた登山ブログの中でもかなり軽い部類です。
「今回は、○○に登ってきました!」
という入り方から始まり、
「野菜安〜〜〜!!」
「登ってきたらこちらも花、花、花!」
「下山したら晴れる、あるあるですね」
といった言葉が出てきます。
絵文字も多く、
🚶
💐
📸
⛰️
などが自然に使われています。
このため、登山情報サイト特有の堅さがありません。
「写真の上手い人の登山日記を読んでいる」
くらいの距離感で読めます。
「社畜カメラマン」というキャラクターも効いている
サイトタイトルの「社畜カメラマン」という言葉も、かなり重要だと思います。
単に「山岳写真家」と名乗るのではなく、少し自虐的で親しみやすい。
そのため、掲載されている写真がかなり本格的でも、敷居が高く感じられません。
写真は本格的。
登山も本格的。
でも文章は軽い。
このギャップが、サイト全体の読みやすさにつながっています。
山行そのものに「物語」がある
記事の構成も比較的分かりやすいです。
「どんな山?」
「今回のコース」
「登山スタート!」
「稜線へ」
「登頂!」
「下山!」
「まとめ」
という流れが多く、読者が山行を時系列で追えます。
そのため、写真を眺めながら、
登山口へ行く
↓
歩き始める
↓
景色が変わる
↓
山頂へ近づく
↓
登頂する
↓
下山する
という一日の流れが自然に入ってきます。
これは写真の多いサイトでは重要です。
写真をただ並べるのではなく、写真を山行のストーリーの中に置いているからです。
「残念だった」も素直に書く
このサイトのもう一つの良さは、すべてを成功談にしないところです。
岩菅山では、山頂から本来なら大パノラマが見えるところ、ガスで景色が見えなかったことを「少し残念」としています。
茅ヶ岳でも、天候のため八ヶ岳に似た山容を確認できなかったと書いています。
しかし、そのことで山行全体を失敗とはしません。
「これもまた登山」と受け止めている。
ここには、写真を撮る人ならではの感覚もあるように思います。
最高の一枚だけを求めるのではなく、その日に見えたものを、その日の山として残す。
これは登山ブログとして好感が持てるところです。
「効率よく百名山を登る」という現実的な視点
一方で、写真だけではなく、実用的な記事もあります。
「日本百名山を効率よく完登する方法」では、タイパ・コスパという現代的な視点から、交通手段や車中泊、遠征方法などを具体的に考察しています。
ここでは「百名山はこういう素晴らしい山です」という話ではありません。
どうすれば実際に100座を回れるのか。
という、登山者なら一度は考える現実的な問題を扱っています。
こうした記事があることで、サイトが単なる写真ブログから一段広がっています。
写真を見せるサイトとしての完成度が高い
サイト全体を見ると、
山 → 写真 → カメラ → 道具
という一本の線が通っています。
山行記事を読んだ人が、
「この写真きれいだな」
と思う。
そこから写真の話を見る。
さらに機材を見る。
逆にカメラに興味がある人が写真を見る。
そこから山の記事を読む。
この循環が作られています。
これはサイト設計としてかなり良いと思います。
一方で、山そのものの情報を探す人には少し違う
逆に言えば、「この山へ初めて行くので、登山情報だけを調べたい」という人には、やや情報が埋もれます。
写真が多く、文章も山行の流れを重視しているため、
- コースタイム
- 難易度
- 危険箇所
- 駐車場
- トイレ
- 登山口へのアクセス
といった情報だけを短時間で拾いたい人には、少し読み込む必要があります。
これは欠点というより、サイトの目的の違いでしょう。
このサイトは「登山情報データベース」ではありません。
山へ行って、写真を撮って、その一日を楽しむ。
そこを見せるサイトです。
「山岳写真を撮りに行く」という登山
これまで見てきた登山ブログと比較すると、このサイトの立ち位置はかなり分かりやすいです。
「ビストロきっちょむ登山隊」が登山の楽しさそのものを見せるサイトなら、
「Red sugar」は写真の美しさが強く、
「My Roadshow」は山行の物語と情報整理が強い。
その中で「社畜カメラマン、山へ行く」は、
「山を歩きながら写真を撮る楽しさ」
をかなり明確に打ち出しています。
山頂だけではなく、途中の花を撮る。
朝露を撮る。
光芒を撮る。
森を撮る。
そして、山頂からの絶景も撮る。
だから記事を読んだ後に残るのは「この山に登りたい」だけではありません。
「自分も山で写真を撮ってみたい」
という気持ちまで生まれます。
そこが、このサイトの一番大きな魅力だと思います。
「社畜カメラマン、山へ行く」新着記事
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